『 パタリロ! スターダスト計画 』 は、1983年7月10日より東映系にて公開された日本の劇場版アニメ映画。
世界征服を企むタランテラと戦うパタリロ等の姿を描くギャグアニメ。
「花とゆめ」連載の魔夜峰央の同名漫画のアニメ化で、脚本は「プルメリアの伝説 天国のキッス」の田波靖男、監督は「世界名作童話 白鳥の王子」の西沢信孝がそれぞれ担当。
単行本第5巻に収録された「スターダスト」を原作にした作品。
原作では別の挿話で明かされる秘密結社タランチュラの正体をアニメオリジナルで描写に織り込むなど、自在な脚色がなされており、クライマックスにも原作ファンならニヤリとする本アニメ独自の趣向が用意されている。原作者の魔夜峰央は、声優と主題歌歌唱の両方に挑戦。
同時上映はシブがき隊の映画『ヘッドフォン・ララバイ』。
テレビシリーズの好評を受ける形(OVAも存在しなかった時代であり、メディア展開の一環として『宇宙戦艦ヤマト』や『機動戦士ガンダム』の様に放映終了後に映画化された)で製作された。
基本的には原作に忠実だが、原作と異なり、アニメのオリジナルで人間のシュゲルグ博士が登場し、彼が国際ダイヤモンド輸出機構No.1の正体という事になっている(これを踏まえてか、原作での「霧のロンドンエアポート」のラスト部分を引用する形でシュゲルグが処刑されている)。
またラスト近くで、(連載当時にはなかった時間跳躍能力を使って)スターダスト計画を阻止するためパタリロが7世と10世の力を借りる「パタリロ大集合」の展開も盛り込まれている。
上映時間は48分だが、当初はもっと長い作品として製作されていたが短縮された為、制作期間に余裕が出来た旨がアニメ誌で語られていた。
・「美少年軍団対タマネギ部隊」アニメ雑誌の紹介で見せ場として言及されており、プログラムのストーリー紹介に掲載されている。
・「NASA襲撃」途中まで製作していたのか、該当すると思しきアンドレセンが変装を解くシーンのセル画が当時の媒体やDVDジャケット裏面に使われている。
これらのシーンなどがカットされたとみられる。
アニメ誌において「ドラえもんと比べると…」という東映サイドのコメントがあり、また作者自身「ポシャった」と語っているので興行的には芳しくなかった模様(そもそも上映規模があまり大きい作品ではない)。
【 ストーリー 】
最近、世界各国でダイヤモンドの強奪事件が続発していた。
調査に乗りだしたマリネラ国王パタリロと、MI6少佐バンコランは、かつてナチスに仕えていた天才科学者シュゲルグ博士の作った犯罪組織「タランテラ」の仕業と知る。
ある日、バンコランはジュニアに呼び出された。
ジュニアとは、かつて国際ダイヤモンド輸出機構からパタリロ暗殺のために送られ、バンコランを愛したゆえに彼の銃弾にたおれたのだった。
接吻を交わすバンコランとジュニア。
だがルージュに毒が仕込まれている。
バンコランは、危機一髪、彼の情人マライヒの活躍で難をのがれた。
そして間者猫によってジュニアと名乗っているのは彼の双児の弟アンドレセンだということがわかる。
アメリカの宇宙ロケット、アポロ11号がアンドレセンにハイジャックされた。
宇宙の絶対0度に冷されたダイヤモンドを使って雲を凍らせ、巨大なヒョウを地上に降らせて世界を破壊しようという、タランテラの「スターダスト計画」が実行されつつある。
この時、アポロ11号を追ってパタリロ8世号が飛び出した。
そして、宇宙での戦いの末、バンコランはアンドレセンを撃った。
その頃、パタリロは先祖と子孫を呼び、3人のパワーで降り落ちるヒョウを原始時代にタイムワープさせていた。
【 スタッフ 】
監督 : 西沢信孝
脚本 : 田波靖男
原作 : 魔夜峰央
製作 : 今田智憲
製作総指揮 : 今田智憲
プロデューサー : 横山賢二
作画監督 : 鈴木欽一郎
美術 : 土田勇
音楽 : 青木望
主題歌 : 魔夜峰央 『RUN AWAY 美少年達(ローズボーイズ)』
撮影 : 武井利晴 、福井政利
編集 : 吉川泰弘
【 キャスト 】
パタリロ : 白石冬美
バンコラン : 曽我部和恭
マライヒ : 藤田淑子
ジュニア : 戸田恵子
アンドレセン : 田島令子
プラズマメ : 堀秀行
シュゲルグ : 大塚周夫
警察長官 : 永井一郎
ミーちゃん : 魔夜峰央
滝口順平
池田昌子
小林清志
古川登志夫
野島昭生
大竹宏
杉山佳寿子
松島みのり
原田一夫
予告
Author:たけごろう仙人
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